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『キスカ』。
この島の名前を知っている人は若い人にはほぼいないのではないだろうか。
北方領土の向こうアリューシャンに連なる北の島である。
太平洋戦争末期、アメリカの大攻勢の前に、日本の守備隊は各地で玉砕していた。
南方ばかりではない。
北の海でも有名なアッツ島玉砕があり、
キスカ島の守備隊の命も風前の灯だった。
そんな中、山村聡演じる川村中将は決然と言う
「彼らを救出する!」
川村中将は、親友で水雷戦隊の指揮に定評がある
大村少将(三船敏郎)を呼び寄せる。
「大村、頼む」
しかし状況は最悪だ。
制海、制空は完全に敵方に掌握され、
相手方には高性能のレーダーがある。
どうしろというのか!!
しかし大村は、艦隊の指揮官たちはあきらめない。
そして、川村中将も旗艦を南方軍に受け渡してまで、
必要な駆逐艦を確保し、彼らを支える。
頼りになるのは、「霧」だ。
霧に隠れ、すばやく島に駆け寄り、
守備隊を撤収させる……
天気予報士をつとめる若い士官はその責任に苦しむ。
なかなか出撃命令が出ないことに業を煮やした各艦の
艦長たちは、守備隊を心配するあまり、天気予報士官を突き上げる。
思わず、嘘の報告をしようとする士官。
それを、大村は制す。
「お前の報告は間違いないな。なければ俺たちは出撃する。
俺たちの仕事は出撃し、仲間を救うことだ。
お前はお前の仕事に全力を尽くせ」
若い士官は踏ん張った。艦長たちも耐えた。
そして、大村と川村は部下を信じて、待つ。
出撃の指令が出る。
しかし、これは始まりに過ぎない。
スピードが命だ。ここからは大村や艦長たちの仕事だ。
一方、守備隊でも無線による暗号を解読し、
撤退準備を急ぐ。
「誰一人、残すな。一緒に日本に帰るんだ」
円谷監督がその実力を遺憾なく、発揮した
霧の中の艦隊運動。モノクロの画面に
異常ともいえる緊張感が漂う……
とにかく、迫力ある特撮と、
見せ場の多い脚本、見せる演技のある俳優たち。
すべてがそろう名画だ。
そして、なによりの魅力は最後の爽快感!
キスカ・マーチを背景に、友を助け、堂々と
岐路に向かう大村艦隊の颯爽とした姿はなんともいい。
http://www.kyoto-wel.com/item/IS81212N00729.html
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